組織成果を最大にするためにHR部門ができることを考えて、形にしていく【会員企業対談記事#4 ギークス株式会社 】

企業紹介とともに、HR担当の方とCLUB-CHRO前田徹也が対談する企画記事。第4回目は「21世紀で最も感動を与えた会社になる」というビジョンのもと、組織づくりを進めているギークス株式会社の中島さんをご訪問しました。どんな企業風土の会社なのか、どんな課題に対して取り組んでいらっしゃるか。HR領域での取り組みと戦略人事の必要性についてなど、詳しく伺いました。

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中島伸佳 ギークス株式会社 

(モデレーター)
前田徹也 株式会社ワークスエンターテイメント 代表取締役
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ポートフォリオ経営を掲げ、新しい事業領域を開拓し続ける

前田:はじめに、会社の成り立ちや現在の事業構成について教えてください。

中島:事業としてのスタートはギークスの前身の会社である株式会社ウェブドゥジャパン(現クルーズ株式会社)時代の2001年に遡ります。当時はi-modeなどの携帯コンテンツ制作を中心にする「モバイル事業」とITフリーランスを支援する「IT人材事業」を核に展開していたのですが、IT人材事業を2007年に分社化したのがギークスのはじまりです。多くの企業のシステムのIT化が進んだことや、ITフリーランスという働き方が認識されていくにつれ、我々の事業規模も拡大してきました。

しかし創業から1年後、リーマンショックが起こり、弊社も景気の影響を受けて厳しい状況が続きました。これを機に経営側で事業再考をし、我々自身もコンテンツを持ってBtoC市場で戦っていける会社になりたいという思いでゲーム事業へと参入しました。今ではダウンロード数やツイッターのフォロワー数など右肩上がりに伸びており、弊社の事業柱の一つになっています。ゲーム事業のチャレンジはIT人材事業で培ったエンジニアとのネットワークによって、良質なコンテンツ開発、システム開発ができたのだと思います。このネットワークは弊社の強みの一つといえます。

中島伸佳氏(ギークス株式会社) 

事業を多角的に拡大させてきた弊社では、現在4つの事業を展開しています。IT人材事業、ゲーム事業、VR・MRなどの最新技術を扱う動画事業、ゴルフに特化した情報サイトやフリマアプリの運営を行うインターネット事業です。複数の事業柱を持つことで、世の中の変化に対応できる状態になっていくことを目指しています。

前田:会社として着実に拡大されていますよね。そうすると基盤を固めるコーポレート部門の役割も増していくと思うのですが、中島さんご自身はどんな役割を担っているのでしょうか。

俯瞰視点を持つことで、精度高い判断が可能に

中島:私は前身のウェブドゥジャパン時代の2006年に入社しました。組織を成長させていくフェーズに参加したいという想いがあり、中でも新しいこと、面白いことをいち早くやっているように見えた同社に興味を持ちました。入社してからはIT人材事業にて営業とマーケティングを経験しましたが、分社化し管理部門を新設するというときに上司から打診があり、そこから管理部門でのキャリアをスタートしました。

労務からはじまり法務、総務、採用、情報システム、経理と一通り担当したのはいい経験になっていると思います。この過程で契約書や法律について勉強したり、株主総会や取締役会関連の業務を知ったり、あとは「人」の重要性についても考えるようになりました。現在は管理部門のスタッフも増えてきて、労務を中心とした人事総務を担当しています。

中島伸佳氏と前田徹也
管理系業務に一通り携わる中で、各業務で効率化というのは意識してきましたが、全体の流れを把握できているからこそできる、ということが増えてきました。ただ今後、会社の規模が変わると、考えるべきこと、対応すべきことのフェーズが変わっていくと思っています。直近としては、やはり人が増えている、多様化しているなかでの対応が課題になっています。 たとえば最近、産休・育休や時短勤務の事例が増えてきました。まだ若い会社なので、以前はそこまで多くなかったのですが、こうした対応の面でも違いが出てきていますね。 

前田:労務、法務、総務と幅広く経験されたことはキャリア上の影響も大きいのではないでしょうか。労務関係でも弁護士や社労士の先生に相談することが出てくるかもしれませんが、そうしたときにも経験が役立つと思います。会社のフェーズや状況によって、必要な専門家のアドバイスが変わることもあります。
 
前田徹也
管理系業務を一通り経験されたことで、会社のステージにあった専門家の見極めや、俯瞰的な施策検討がしやすくなってきているのではないかと思います。今ご担当業務の中で、組織成長の中で手を付けていかないといけない変化もあると思うのですが、いかがでしょうか。

中島:事業の拡大に沿って新しい社員が入り、多様化が進んでいる実感はあります。最近だとゲーム事業の拡大に伴い、エンジニアやデザイナー、ディレクターなどの開発メンバーが急に増えてきています。オフィスも今年に入って増床しました。その状況のなかで、 クリエイティブを意識して働きたい人に、いかにパフォーマンスを発揮してもらえる環境をつくっていくか、時間管理をどのようにやっていくか。状況にあわせて常に制度を進化させる必要を感じています。 組織文化の面でも、元々営業系の社員が多かったのですが、クリエイティブな開発メンバーの文化が混ざってきた状況にあると思っています。

前田:営業と開発は、それぞれ別文化ですよね。たとえば、エンジニアの中でも、業務システム系とゲーム系とではまた異なります。時間の使い方や成果の出し方も異なるので、パフォーマンスをあげる環境をどう提供できるか。課題であり、工夫のしどころになってくるのだと思います。社内の雰囲気はいかがでしょうか。今年10周年を迎えられていますので、創業期と現在とまた変わってきている面もあるのでしょうか。

中島:社内では、やはり経営者の存在感も大きいですが、一方で、社員を主人公にして、それぞれのプロフェッショナルを活かしてほしいという経営側の想いを感じる場面も多くあります。自発的に動くことを見守ってくれる雰囲気があるんだと思います。

中島伸佳氏と前田徹也
全社でのコミュニケーション頻度は、組織の拡大に応じて変化してきましたが今でも全社会議は半期に一度、全員参加で行っています。設立記念バーベキューや夏祭りなど季節に合わせた社内イベントも多く、社員が積極的にたくさん参加していますね。

前田:今後はどういうことに取り組んでいかれますか?

中島:やりたい仕事というか、 やっていくべき仕事としてとらえているのは、組織の下地作り、骨格づくりのような部分 です。組織が拡大するなかでの制度づくり、法対応、取り組まなければいけないことはたくさんあると思っています。

組織づくりに資するHRの役割がやりがいそのものになる

前田:オープン勉強会もご活用いただき、ありがとうございます。戦略人事というテーマはどのように捉えていらっしゃるのでしょうか?

中島:勉強会に何回か参加する中で、HRのなすべきこと、やりがい、またキャリアのあり方が具体的なイメージになってきたことが、私にとってキーとなる出来事でした。組織の成果づくりを考えると、やはり人という部分での仕組みが欠かせません。ただ目の前の業務をするのではなくて、 組織成果を最大にするためにHRとしてどのような工夫や働きかけができるか。それを考えて形にしていくことがHRの仕事であり、やりがいにもなると改めて気づきました。   CLUB-CHROの勉強会のテーマは経営視点で語られるものが多く、そこで毎回思いを新たにさせてもらえますね。他の参加者も意欲的で、かつ同じような課題を抱えていらっしゃるのも刺激になります。 もっともっと多くの方が参加する場になることで、一層学びが増えることを期待しています。

前田:たくさんの会社同士で交流する場に発展していけたらと思っています。本日はありがとうございました。
 
中島伸佳氏と前田徹也