採用から退職まで管轄する人事マネジメントのポイント【CLUB-CHROアカデミーレポート】

CLUB-CHROは戦略人事を推進するCHROの成長を支援するためのコミュニティです。誰しもが参加できる「オープン勉強会」とはべつに、 CLUB-CHRO会員企業を対象にアカデミー(会員限定勉強会)を開催 しております。アカデミーは、HR(人事部)の直面する課題をズバり取り上げ、事例共通や相互の情報交換を通じて、ヒントを得ることができる場です。
 
今回は5月11日に「採用から退職まで管轄する 人事マネジメントのポイントセミナー」として、(初回ということで特別にオープン勉強会参加者も混じって)ワークショップ型で開催しました。講師はCLUB-CHROプロデューサーの堀尾、そしてボードメンバーの中から、社会保険労務士の宮嶋邦彦さん弁護士の秋元芳央さんにコメンテータとして登壇いただきました。レポートを公開いたしますので、ぜひ是非お読みください。

宮嶋氏と秋元氏

様々な「ギャップ」を埋めていくことが、採用マネジメントのひとつ

 CHROの管轄は「人」にまつわるすべてのマネジメントです。今回の一つ目のトピックは、入社前後のフォローを含む「採用マネジメント」と、時に何らかの理由で入った人が辞めることになる際の「退職マネジメント」がテーマとなりました。

仕事も年収も合致して内定に至り、あとは入社を待つばかり、という段階までいったのに、候補者から辞退の連絡がきたことはないでしょうか。何らかの情報を見て将来性への不安を感じたり、他社から内定をもらって年収比較をしていたりと要因は様々。「転職する際に重視する項目」でよく言われる「仕事内容」や「年収」「組織風土」を満たしていたとしてもそういうことが起こります。基本的だけれど、ちょっとしたひと手間が、その内定辞退を防ぐことになるかもしれません。

  1. 候補者と密に連携をとる
  2. 自社の事業内容や将来性の理解度を高める
  3. 提示した報酬に不安や不満がないか再確認する
  4. 配属先メンバーの懇親会や社内見学ツアーをする

堀尾司

と堀尾がスライドでまとめていましたが、一人ひとりに対するこまめなフォローは歓迎していることの表しにもなります。またしっかり定着してもらうためには、入社後慣れるまでの期間も採用マネジメントの一貫として重要です。

転職経験者の方は思い当たることがないでしょうか。配属先の職場で、電話の使い方やコピー機の設定がわからなかったり、職場固有のルールにとまどったりと、慣れれば何でもない小さなことが、転職者の不安となります。同期もいなく、本音で話せる人がまだいない転職者だからこそ、面談や声掛けは大きなフォローになります。

退職者とのコミュニケーションは、組織づくりや採用に役立つ情報が満載

 一方で、「退職マネジメント」も実は重要なポイントです。ディスカッションでは

  • 退職者面談は必要かどうか
  • 退職希望者が発覚した時の適切な対処方法は

といった観点で、各社の事例や工夫を情報交換しました。

アカデミーディスカッションの様子

自己都合退職の場合、退職理由を把握することは、既存社員のマネジメントにとっても、次の採用にとっても貴重な情報となります。また、仮に何らかの不満を持っていた場合、しっかりとそれに対するコミュニケーションをしておくかどうかは、その後の行き違いやトラブルを回避する要因になります。

その面談は上司がやったり、労務手続きを担当する人が担ったりすることもあると思いますが、「  面接に長けている人、また本人を採用したときの人事の人だと、より率直な意見を引き出せるはずだし、それをしっかり記録に残すことが財産にもなる」という意見に、同意が集まっていました。

ベンチャー企業での人の出入りは、タイミングによって活躍できるステージがあるかどうかの違いが出たり、時にストックオプションの保有有無にも影響します。こうしたマネジメントがなされぬままに問題となってしまった事例や、注意すべきポイントについて、リアルな場だからこそ聞ける話を秋元さんや宮嶋さんからもたくさん解説いただきました。

宮嶋氏と秋元氏

「適切なマネジメントをやらない不利益は、結局会社に返ってきてしまう」、とお二人から指摘がありましたが、残業管理や健康管理など労務面も含めた話は、どの会社も避けて通れないリアルな課題といえます。

専門家からのリアル話と、参加者のホンネ話が交わされた勉強会

弁護士の秋元さんは、弁護士事務所を経てグリーの社内弁護士を経験した時期があり、現場のリアルに正面から向き合ってきた経験を持っています。また、社労士の宮嶋さんは、「人事デューデリジェンス」と言われる上場審査の監修を数多く手がけられています。

そのお二人が語る事例は、まさにどの会社でも起こり得るような課題で、何でそんなことになったのか、どこに注意すべきなのかの解説は「確かに、そのとおり」と思う説得性に満ちています。

ディスカッションの様子

リアル勉強会でしか聞けない事例には、応用できるたくさんの学びが詰まっていました。終了後の懇親会では参加者同士のホンネ話も加速。会員相互の情報交換ができる場は、今後も継続して行っていきます!