誰に対して何を訴求し、どんな「見られ方」「見せ方」をするのか。を議論することが経営視点の人事を言語化する【第4回勉強会レポート】

こんにちは、CLUB-CHRO事務局です。2017年3月9日(木)に京橋TORSOで開催したオープン勉強会、「~これからの採用・戦略的PRに向けて~動画広報「ビデオリリース」でマーケティングの新常識をつくる社長に聞く」の様子をご紹介します。

今回はゲストに株式会社NewsTV代表取締役 杉浦健太さんを迎え、弊社代表の前田徹也(インテリジェンス創業メンバー)との対談形式で2時間の勉強会を開催しました。

1分半の動画の中で、その商品の特徴を明確に伝える「ビデオリリース」。それを「商習慣」にすることを目指していると語る杉浦社長からは、ブレのない言葉が次々と発せられます。「商習慣にする」ために行う行動は何なのか、判断軸はどこに置くのか。おそらく社内の議論でも日々こうした問いが出されているのでしょう。どんな背景でこの事業を始めたのか、どんな組織の特徴があるのか。勉強会でとことん話していただきました。

20170413勉強会風景

情報を適切な情報に“変換”して、届けたい対象にきちんと届ける

適切な情報に“変換”して、届けたい対象にきちんと届けるのがNewsTV社の主力商品の「ビデオリリース」です。「ビデオリリース」は、ニュースリリースを動画にしたものです。新商品やサービスを出した時に「ニュースリリース」を配信する企業は多いと思いますが、こちらは同時に動画発信も活用できるサービスです。ポイントになるのは届けたい対象に、届けたい情報が確実に届けられるかどうか。

「クライアントさんがいい商品を使って適切な情報に変換し、適切な対象に届けば物が売れたり人が動いたりする時代になりだしています。新しいニュースの広め方として使ってもらっていますね。実はリピートが7割を超えています」と杉浦社長。このサービスは動画制作部分は無料で、配信部分で予算をつける仕組みになっています。「目的は動画をつくることではなく、対象層に適切な情報を届けること。だったら目的部分でお金をいただく形にすべきではないかと設計したんです。」

NewsTV杉浦健太社長

採用・人事に利用されるビデオリリース

最近は採用や人事戦略の発信に使われるケースも増えてきているそうです。「ある会社は、学生に“権限委譲”と“顧客第一”を伝えたいということだったので、リクルーティングセミナーを撮影したり、参加学生のインタビューをとったりして、大学生1~3年生を対象に配信しました」という撮影・発信の事例などをお話いただきました。

採用PR目的なら「就活生がきっと登録するだろうサイト」を複数フォローしている人に絞って配信することもできるそうです。就職説明会の様子が先にわかると、安心して説明会に行きやすくなるという就活生もいるかもしれません。また、膨大な数の企業からどう選んでいいかわからない就活生にとって、自社でできること、求める人材像などが明確に示されたら、選択肢として考えやすくなる一助になるでしょう。
 
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採用以外にも人事領域でのPRは、様々な工夫ができます。会社ブランドにも寄与していくでしょう。その一例が、PR軸を意識した制度だと杉浦さんは指摘します。「我が社は人事を大事にしています」だとニュースになりませんが「我が社は全員人事になりました」だと取材しようと思うでしょう。「会社としてどんなPR戦略を持つか」そして「やりたいこととPR軸でどう見せたいかを掛け合わせる」発想が、ブランドやイメージ効果を促進しそうです。

組織拡大を支えるコミュニケーションは、「渾身の日報返し」

2015年6月の設立初期のころは数人でやっていたそうですが、ここ1年以内に一気に採用を進め、30人近い規模になってきた同社。組織のサイズが変化している中での課題や実践については「思っていることが伝わっているかどうかがわからない時は出てきていますよね。誰が何をやっているかもわからなくなったり、一人ひとりが何を考えているかが見えなくなってきたり。それで 今やっているのは、全員の日報に返信する ということです。」
 
「以前の会社で日報を書く側だったときに、誰からも反応がないと適当になっていったけれど、たまに上司が返信してくれたらうれしい、と思った経験がありました。だから毎日返そうと思って。普通日報って淡々と短く書かれると思うんですけど、 うちの日報は長文なんですよ。渾身の日報を投げ込んでくる。それに渾身の日報返しをする。それでコミュニケーションをとっています。 」というお話が。
 
杉浦健太社長
 
さらにこれをやるとメンバー同士も人の日報を見るようになると言います。結果として、自然に組織内の情報共有が進み、風通しがよい組織風土になっていることがうかがえます。社長や経営陣が社員一人ひとりを見ていたのはインテリジェンスでもあったと前田も話します。「 組織のカルチャーはやっぱりトップの意向が反映されてきますよね。  社長が何を見ているか、何を考えているかが源泉になってくる。新しく入ってきた社員の写真をトップが持ち歩いていたりしましたね。」

「脳みそをシンクロさせる」コミュニケーションが急成長を牽引

経営者の行うコミュニケーションは、社外に対しても必要です。前田は「 伸びている経営者のやり方を見ていると、伝えるという意思をもっている共通点がまずありますね。自分の言葉で話しているし、組織課題もしっかり発信していく。上場した新興系企業の四半期報告書をたまに見ているのですが、気の利いた会社は組織課題をアジェンダにあげ、そこに対する取り組みもしっかり書いています。トップがステークホルダーに対して、組織のことを伝えようという姿勢のあらわれに見えますね 」と言います。もちろん、外にしっかり説明しようと思う経営者は、組織内のコミュニケーションも大事にしているでしょう。

前田徹也

時にはCHROが社長の言語を伝えることもあるかもしれません。そこでしっかり“翻訳”し、かつCHRO自身の言葉で語れるのも重要です。幹部や人事も「同じことを思い、同じ世界観を話せる」ようになればという点は、杉浦さんも重視しているそうです。
 
「思っていることを全体に伝えることが結構大変になってくると想定はしているんですけど、今ぼくは“部長陣と脳みそシンクロする”というのがかなり肝だと思っています」とのこと。目指している世界をクリアに同一認識することで、勝手に同じ行動が生まれ次々に成果が生まれることをこう表現されています。目指している世界のクリアな同一認識は、「商習慣にする」という一語に詰まっています。

「今だと新商品発売になると、リリースを出して、特設WEBサイトをつくって、SNS使って、広告して…というのが一連の動きでしょうが、商習慣というのはそこに「ビデオリリース」も当たり前のように組み込まれることです。」「だから、社員一人ひとりの行動は商品を売っているのではなく、商習慣をつくっていることそのものなんです。そこですべての行動規範も決まるし、シンクロもしていくんです」と明確な回答がかえってきました。

杉浦氏と前田徹也

「商習慣」というのは手が届く範囲でイメージができて、でも現在より圧倒的に違うレベルに達している状態を表す絶妙な言葉です。だったらこうしよう、商習慣のためにはこのアクションだ、というシンクロが次々と起こる組織づくりはスピードも圧倒的に早そうです。

今回は人事・採用領域のPR視点に役立つ発想と、急成長するNewsTVという組織運営について、と、二つのトピックが同時に聞けた勉強会でした。中でも、タイトルにもある「採用・戦略的PR」は、CHROのような立場の人がしっかり全社視点で軸をつくっていくことが効果的でしょう。 我が社はどんな「見られ方」「見せ方」をしていくのか。誰に対して何を訴求するのか。その議論は経営視点で考える人事を言語化する、いい機会になるはずです。 

勉強会光景

勉強会にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

次回の勉強会は5月25日に開催予定です。詳しい情報オープンまで今しばらくお待ちください。