「CHRO」は組織設計を考え継続・発展していく素地をつくる【第2回勉強会レポート】

こんにちは、CLUB-CHRO事務局の長沼です。2017年3月9日(木)に京橋TORSOで開催したオープン勉強会、「10社以上の株式上場を手掛けた経験から語る~成長期フェーズの人事の役割~」の様子をご紹介します。

今回はゲストにBEENOS株式会社の中村浩二さんを迎え、弊社代表の前田(インテリジェンス創業メンバー)との対談形式で2時間の勉強会を開催しました。

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中村さんは証券会社のIPO部門で、10社以上の株式上場を手がけた後、インターネット黎明期にネットベンチャーを経験。その後企業の上場支援や事業再生などを手がけた時の話から、現在代表取締役副社長兼グループCFOをつとめられているBEENOSのことまで、幅広いご経験をお話いただきました。

会社の状態を「見える」ようにする

中村さんがCFOを務められているBEENOS株式会社は世界に拠点を持ち、ECサイトをはじめ、ボーダレスに日本と世界をつなぐ事業を展開しています。持ち株会社によるグループ経営を進めており、現在、13の事業会社で構成されています。CFOの中村さんに、まず数字について聞くところから本編はスタートしました。

「いかに会社を見える状態にするか。経営のダッシュボードの役割をする存在がCFOだと思っています。経営判断に必要な情報を提供していく役割でもありますね」と中村さんからの話が出たあと、前田からは「いま時点の数字を見ても何もできない。成功かどうかもわからない。でも時系列でみると、どう変化しているのか、何が言えるかがわかってきます。」

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「人事でいうと退職率とか採用率とかもその一つですね。トップや役員に何かを伝えるときにも数字の推移を頭に入れて言うのを大事にしていますね」と人事にとっての数字の話にも及びました。

鋭い株主はこういった数値の推移も見ているとのこと。まさに会社の状態が「見える」一つの手段が数字であり、それをしっかり自分たちで把握していくことが基本であり重要なのでしょう。

一人ひとりの行動が、組織力・組織文化をつくる

一方で、日々肌で感じられる組織の状態はどう把握していくのがよいでしょうか。組織力向上についてどのようにお考えか、という問いを、司会の堀尾から投げかけました。

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 理念経営が浸透している他社を見ていると、それが文化をつくっていますよね。そのやり方はとても参考になりましたし、意識してやっています。 当社は実は、明確な理念は持っていないんです。ただ、自分たちのミッションは何で、そのミッションを達成するために何をやらなきゃいけないのか、はしっかり提示されているんですね。それを意識しています」と中村さん。

具体的には?とさらに問いかけました「たとえば、お客様をお通しする会議室に、椅子が乱雑になっているのは絶対に嫌なので、それは徹底したり、お客様への挨拶も自然に言えるようにしていったり、そういうことを意識しています」とのことです。

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前田も「僕は『スリッパの法則』を書かれた藤野さん(※編集部注:藤野 英人氏 現レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役社長)を尊敬しているのですが、彼の考え方は、社員が勝手にスリッパを使っている会社や、傘立てが乱雑な会社には投資しない、というんです。スリッパは公私混同の恐れ、傘立ては会社をきれいにするという心を社員が持っていないリスクがあると見るからなのですが、今の話に共通するなと思いました」と紹介しながら「中村さんのところを訪問してから、影響されて会議室の椅子は気をつけていますよ(笑)」とのこと。ちょっとした行動が確かに影響を及ぼすと、会場からも共感の様子が伝わってきました。

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組織の設計をしっかりと考える

経営戦略と連動した組織づくり、実際に面談や制度づくりを考えていくうえで、登壇のお二人の経験をさらに詳しく聞きたいと、休憩時間を利用して参加されたみなさんから質問をつのりました。後半は、お寄せいただいた質問にお答えしながら、対談をすすめていきましたした。

組織設計に関しては、たとえば「急拡大する組織フェーズで意識すべきことは?」という質問がありました。「大きくなっていく段階では仕組みで回す方向でしょうね」という共通認識が出た後で、具体的な例に話は及びました。

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仕組み化といっても、制度を一律に入れるということではありません。たとえばBEENOSでは賞与の出し方の工夫が、「自分さえ、自社さえよければよい」という行動にならないような仕組みになっているとのことです。どのような行動を奨励するかという会社のメッセージとしても伝わっていることでしょう。

前田からは、仕組みと同時に仕掛けも重要だとコメントがありました。たとえば社内コミュニケーションも、CHRO一人でがんばるのではなく、メンバーと一緒に考えて動くことで行動量は倍になります。トップからのメッセージが有効であるならば、仕掛けでサポートすることで、トップがメッセージを送りやすくすることもできます。リクルートやインテリジェンス時代の職場で行われていた様々な「仕掛け」についても披露してもらいました。

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中村さんの持論として、「 100年続く企業 」という発想があるそうです。

「たとえば上場しても、それがゴールではないですよね。 会社と言うのは、事業が変われども続いていく器だと思っています。そのためにどうしたらよいかを、短期的な視点ではなくて、なるべく長期的な視点で考えるようにしています。自分の中では100年続く企業というのを大事にしているんです。 

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「いかに創業の時のおもいとか、大事にしてきたことをつないでいけるのかが重要だと思いますね」という話が印象的でした。

3月9日の勉強会まとめと、次回予告

経営者の想いや会社のミッションをつなぎながら、継続・発展していく素地をつくるのがCHRO(最高人事責任者)。その職務とは 未来に向けて組織を耕していくこと なのものかもしれません。

勉強会にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

次回の勉強会は3月23日に開催予定です。株式会社GameWithの今泉卓也社長をお迎えして、「メディアのリリースから3年で月間9億PVを達成したスタートアップ起業家の独自の経営・組織論を学ぶ」予定です。参加希望の方は、以下のページからお申し込みください。