「CHRO」の役割を知っている会社は、未来を見据えた会社?
【第1回勉強会レポート】

こんにちは、CLUB-CHRO事務局の長沼です。CLUB-CHROが開催しているオープン形式の勉強会。2月23日に京橋TORSOで開催した「企業成長期における組織デザイン~10人、50人、100人の壁を超える」の様子をご紹介します。

今回のゲストは、キープレイヤーズの高野秀敏さん。高野さんはインテリジェンスご出身。元インテリ同士との触れ込みで、弊社代表の前田(インテリジェンス創業メンバー)との対談形式で約2時間開催しました。

高野秀敏さん
参加者はまさに成長期の組織デザインを進める企業の人事担当者、事業責任者の方々。トピックに沿った前半の対談講演のあと、休憩中にお願いしていた質問用紙には、さまざまな課題を書いていただき、後半は寄せられた質問を中心に対談を再開するというスタイルで展開しました。

司会の堀尾から「失敗談も是非話してください」との促しもあり、登壇者のお2人からは、経験者だからこそ話せる具体的な話題もとびだしました。当日のトピックをいくつかご紹介します。

トライ&エラーの組織づくりも。「チャレンジ」が大事

ベンチャーの一つの関門となる売上10億円規模。初期の頃は創立メンバーやキャリア採用者で構成されていた組織が、売上拡大期において、新卒採用をはじめることがあります。

「自分自身も直面した課題ですが、採用が拡大するなかで新卒組とキャリア組の派閥化が始まるんですね。いかに融合する人事施策がうてるかが大事だと思うんです。そのときには経営者としっかりと握らないといけない」

前田徹也

「あともう一つ、この時期は評価制度も変えるべきステージになってきます。理想的なのは迎合しちゃいけないけれど、民意をしっかり取り入れること。みんなで考えた評価制度にすることがうまくいっている会社の傾向かなと思います」

と前田から経験談が出てきた後、高野さんからは

「会社が10人20人くらいなら問題ないんです。でも、100人くらいの規模になってくると、マネジメントする人をたとえば10人置くことになる。そうすると中途で幹部候補をとることが増えますよね。でも外部から来た人の迎え入れ方をあやまると大変ですよね」

高野秀敏さん

「以前に、役員候補として紹介した人で、あえて取締役ではなく現場サイドの執行役で入られたがいます。上から入ると絶対現場の人から腕組みして見られてしまうから、自分の役割を考えた時にそうしたいと話して入っていかれましたね」

というエピソードも紹介。様々な経験を持つ人を受け入れるなかで、採用者側だけではなく受入組織側のフォローや設計も重要であることが改めて見えてきました。一方で、まずは様々な人を様々なポジションで受け入れる「チャレンジ」こそ重要だと高野さんは指摘します。

「うちは新卒採用に限定しました、と聞くこともありますが、そこも過去には幹部社員のキャリア採用を進めたことがあるんですね。その経験を自分たちで振り返り、体験したうえで戦略をつくっている。チャレンジをし続けることが強みなんです」という事例もお話いただきました。

採用活動イコール営業活動と考えれば、やれることは沢山ある

成長期の組織では、「採用したいけれど採れない」という課題に多く直面するでしょう。誰でもできる一番簡単な方法なのは「毎週、できれば毎日、メールを送ること」だと高野さんは話します。

高野秀敏さん

「営業部の人は誰かのやり方を[盗んで]自分のやり方に取り入れていきますよね。競争環境にいるから工夫を重ねる。採用もAIDMAのように考えると、ある種[営業]をどれだけやるかですよね。その時に、営業部と違って社内に真似できる人が少ないかもしれないけれど、社外と情報交換すればいいんです。」

前田からは「採用」について、こんなエピソードが飛び出しました。
「リクリートの創業者は採用面接を何より優先していました。それを受け継いだのがインテリジェンスですね。」「一人の役員や社長だけが判断すると、やはり人材が同質化しがちです。当時のインテリジェンスでは最低でも役員2人に判断してもらうようにしていました。」

「調整するのは人事ですが、ダイバーシティのためには見る人が複眼になったほうがよいと思います。トップがいいと言っても、他が嫌だと言ったらやめるケースもありました。もちろんそこは徹底した議論の上ですけどね。」

前田徹也

今回の参加企業は、これから50人、100人の“壁”を迎える企業人事の方が多くご参加されており、「採用人事」への関連質問も多く出されました。

「どんどんプロダクトやライフサイクルが短くなっているなかで、力のある人をとっていないと次の変化に耐えられなくなってしまう恐れがある」という話もトーク中に出てきましたが、まさに採用業務が真剣勝負の場であることが実感されます。

「CHRO」の役割を知っている会社は、未来を見据えた会社

今回の勉強会のテーマである「CHRO」。ただし、ポジションとして必要というよりも、組織成長を支える機能として重要になってくるものだと思われます。事業成長が著しいなかでは、どうしても人に対する施策が対処療法になりがちです。

たとえば「辞めたい」という人がいたときに、「やりたいことやらせてやるから、何でも言えよ」と引き留めることってありますよね、と高野さんからも話題提供がされましたが、ベンチャーに限らず、顔の見えるサイズの会社ではよく起こる話ではないでしょうか。

しかしそうすると「意見の強い人が通ってしまう」ことになってしまいます。

ベンチャーだからこそ、経営者の掲げるビジョンに共鳴してコミットしているかが重要で、それを伝える工夫は様々なことができるのでしょう。仕組化を進めていくというのも成長期に必要になることといえるでしょう。

前田からは「 戦略人事は、企業理念を達成するためにどう動くか、につきます。成功している会社の共通項は、人事がコミュニケーションの司令塔になっていることと、意思決定のプロセスがしっかり説明されていることですね 

「お手伝いしている会社では、社会に役に立つという視点でつくられた経営理念がすべての人事制度に入っているんですね。一貫して、そのような軸を持つ会社は強くなると思います」との事例紹介がありました。

2月23日の勉強会まとめと、次回予告

もちろん、トップの個性によってマネジメントは様々です。どれが正解というわけではなく、それぞれのやり方で経営理念の実現に向けて同じ方向を持てる会社が強いのではないでしょうか。「初期の頃はよかったのに最近バラバラだ…」とならないように、組織ステージの変化を見越した動きを早めにとっていきたいものです。

勉強会にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

次回の勉強会は3月9日に開催予定です。BEENOS株式会社の中村浩二副社長をお迎えして、企業成長期における人事の役割を、(一見対極にみえる)CFOの視点・視座か語っていただく予定です。参加希望の方は、以下のページからお申し込みください。