介護支援取組助成金をきっかけに、介護支援制度を組織に導入するためのステップ

こんにちは、健康人事委員会事務局です。
2016年6月11日(火)17時よりケアポット株式会社の高橋社長をお招きし、介護支援制度への取り組みに関する勉強会を開催しました。

  • 対象 人事担当者
  • 解決できること 介護支援制度導入の勉強会を開催できる
  • こんな組織になる 仕事と介護を両立できる組織
  • キーワード 介護離職、介護支援制度、介護支援取組助成金、

高橋社長はご自身の介護の経験から、「親ブック」という 親の生活スタイル、趣味・こだわりなどを、一緒に書き込める高齢者と家族のコミュニケーションツールを2015年に出版されています。

勉強会でポストイットをもちいて説明するケアポット高橋社長

年間10万人近くが介護離職を余儀なくされていると言われますが、みなさんの会社では介護支援制度の導入は済んでいますか。平成28年度厚生労働省予算において、両立支援助成金があります。そのなかの「介護支援取組助成金」。この介護支援取組助成金の申請をおこなうステップそのものが、組織に介護支援制度を導入するためのステップ。今日は介護支援取組助成金の仕組みはもとより、介護支援制度介護について知っておきたい知識の3つを学びました。
 

知っていますか? 介護支援取組助成金

まずはじめに介護支援取組助成金についての説明です。今年新設された助成金ということもあって、知っている人は知っているけど、知らない人は全く知らない、という助成金。
 
厚生労働省をはじめとした助成金については、積極的に情報チェックしている会社と顧問社会保険労務士からの情報に依存している会社、まったくチェックしていない会社の3つに分かれます。
 
介護支援取組助成金も他の助成金とおなじで、申請するにあたっての要件があります。要件を満たすことで「介護支援制度」を導入することができる仕組みになっています。(ちなみに助成金は申請すれば100%受給されるわけではありません)
 
大きく分けると

現状の把握→計画→実施→運用体制を整える、といった感じですね。

仕事と介護を両立するためには5つのポイントがある、と高橋社長はいいます。ここのところ「介護離職」に関する報道が目にはいるようになっています。事務局が日々チェックしている情報でも「介護」「障害者雇用」「育児支援」の3つは、情報がおおく流れてきています。
 
Googleトレンドで過去5年間をチェックしてみると右肩上がりになってきているのがわかります。
Googleトレンド-介護離職キーワード20160617

また5月18日のワールドビジネスサテライト(TV東京)では介護離職防止にとりくむオフィス用品通販大手のアスクル(東京都江東区)の例が取り上げられていました。 
 

介護は誰もが直面する課題です。従業員だけではなく経営陣も介護に直面する可能性があります。現在会社ではたらきながら介護をしている人は約240万人いるそうです。過去5年(平成19年10月~24年9月)に介護・看護のために離職した人の総数は約49万人にのぼるとか。
 
 ケアポット株式会社勉強会資料より
 
データをみるとやはり仕事と介護を両立できない職場からの「介護離職」が多いことがわかります。では、どういった会社が介護支援制度の導入に取り組んでいるのか、気になりますよね。

介護支援制度をかんがえるきっかけ

「介護支援制度に取り組むにあたって、社員の平均年齢は関係ありますか?」という質問に高橋社長は

「平均年齢が◎歳になったから”取りくもうか”とうごきだす会社は少ないです」
「中小規模の会社のケースのばあいは、社内の数人が介護に直面したときに、はじめて取りくみを考える会社が多いです」
 
と答えていました。会話の中で「そういえばあの人が・・・」ということに思いあたり、介護がじつは従業員にとって身近なものになりつつあることに気づかれる方も少なくないそうです。傾向としてはマネージャー世代に40代の方がいる会社で、介護に直面する従業員がでてくるケースが比較的おおいのだそうです。
 
先日社内でセミナーをおこなった会社の平均年齢は30代前半。しかしマネージャー層に30代後半から40代前半が多く、経営陣は50代に差し掛かっている、という年齢構成だったそうで、「もしかして直面するメンバーがではじめるかも・・」と社長がかんがえて、介護支援制度の構築に乗り出したのだとか。

全体の平均年齢ではなく職層ごとの年齢分布、平均年齢ではなく中間年齢を算出してみるといいのかもしれませんね。
 

必要なのは介護に対する心がまえ

介護はある日突然やってきますが、平均年齢よりも一人ひとりのご家族の年齢と関係があるようです。そこで、大切なのは「事前の心がまえ」だと高橋社長はいいます。
 
重要なことはいくつもありますが、まず必要なのは介護をする本人の「知識」。そして「家族のことをどのくらい知っているか」ということがあります。ご経験者なら理解できることも多いと思いますが、たとえば「味つけの好み」「仲の良い交友関係」「毎日楽しみにしていること」といったことをはじめ、知らなければいけないことが実にたくさんあります。
 
勉強会では、あらかじめ介護の相手を想定し、その方にについて自分がどのくらい知っているのか、をワークシートに書きだす時間がありました。
 
…全然しらないんですよね。同居していると、なにげない日常の光景から思い出せることがあります。しかし離れて暮らしていると、親のことについては知らないことのほうが多い!ということに気づきました。 
 
ワークシートの記入でお手上げになる参加者

記入しながら、みんなお手上げ状態に苦笑いをしていました。もし明日から介護がはじまったとしたら「わからないことだらけだから、知ることだけで、とても時間が必要になるだろうね」ということが、わかりました。
 

介護支援制度構築のステップ

データにみられるように仕事と介護を両立するための支援制度がなければ、従業員が離職する可能性がたかまります。また制度があるだけではなく、周知し、活用しやすい企業文化をつくることも求められます。
 
ケアポット株式会社-勉強会資料より

多様性ということには、「はたらき方」の多様性も含まれており、なにをどこまで支援することが自社の企業理念や人事ポリシーに沿っているのか、ということも忘れてはいけないポイントですね。
  
このあたりは勉強会をとおして何が必要なのかを再認識することができました。
 

勉強会のまとめ

 
助成金がでる場合、「実質0円で制度導入ができる」ということに注目がいきがちです。それも悪くはありませんが、そもそもは支給要件を満たす必要がありますよね。支給要件を満たしていくことで、企業は介護支援制度の入り口にたつことができる、というわけですね。

今回の勉強会をとおして思ったことは、親のことを普段からしっておくことが(介護においては)自分自身の保険にもなるってことです。また組織における介護支援制度の導入は平均年齢には関係なく、ある日突然誰かの身にやってくる可能性がある、ということを改めて認識しました。
 
はたらきやすい職場環境づくりには、様々な取り組みがありますが仕事と介護を両立できる職場もそのひとつです。「介護支援取組助成金」が新設された今、まずは就業規則を読みなおしてみることからはじめてみてはどうでしょうか。当社も今回をきっかけに制度導入を整え、申請をおこないました。

従業員の介護離職について「ウチはまだ大丈夫だよ」「まだ相談されたこと1回もない」という声も聞きます。いままで1名も出現していないからといって、今後も同じかどうかは別問題。そもそも介護支援制度がない場合や周知されていないケースでは、人事部に相談しにくること自体が考えにくいですよね。有給休暇がとりにくい会社であれば、上司に相談することすらしない可能性だってあります。
 
この勉強会は、今後オープンセミナ―として開催する予定がありますです。日時が確定しだいお知らせさせてください。「これから介護支援制度導入に取り組んでみようかな」と関心があれば、ぜひ一度勉強会にお越しください。