新卒採用できる会社になるために、アドウェイズがおこなってきたこと【イベントレポート】

今月は11月10日(木)に実務者講演会を開催しました。タイトルは「新卒採用できる会社になる!アドウェイズ流新卒採用活動のすべてを大公開」。株式会社アドウェイズのHRM担当 執行役員、松嶋良治様に登壇いただき、場所は医療法人社団 平成医会様の丸ビルオフィスをお借りして開催。各社の採用担当、人事担当の方々にお越しいただきました。

採用による会社の基盤づくり

アドウェイズは世界12か国に展開し、グローバルにインターネット広告事業を手掛けています。2000年に創業し2006年に上場、現在は1,200名を超える規模へと成長を遂げてきました。そこを支えるのはすべて人の力。特に新卒採用に注力しながら、会社の成長を支える「人」を培ってこられました。

そもそもなぜ採用なのでしょうか。松嶋氏は持論として 育成より採用がまず大事であり、「ポテンシャルの高い人をとる」ことを重視している と言います。人の本質は教えて変わるものではなく“いい人”が入れば周囲も変わっていきます。それくらい採用の影響は大きいからです。

同社の採用ステップには3つ大きな特徴があります。
1つ目は、気になる候補者に対しては一次面接から社長や役員が対応するということ。
2つ目に、最終面接で人事責任者である松嶋氏が一人120分の面接をするという点。
そして3つ目に、学生目線で工夫し続ける採用活動です。

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特に採用活動での工夫は応用できる点がたくさんありそうです。手法をまねるというよりも、発想が参考になります。たとえば同社では地方での採用セミナーに力を入れているそうです。東京でセミナーをやれば、意欲ある地方の学生は聞きに来てくれますが、他社との比較になってしまいます。しかし自ら地方に出向けば、競合他社のセミナーが少ない分だけ、いい学生と出会える率が高まります。そういう発想で、次々と施策を工夫してこられています。

 icon-arrow-circle-right 新卒採用にむけて効果があった手法-1:自社の知名度向上

自社に必要な人と出会うためには、まずパイを広げる必要があります。いかに学生に知名度を広げるかは工夫のしどころです。知名度向上に効果があったというものをご紹介いただきました。

1.時期別にセミナー内容を変化させる

就職活動期間といっても情報収集が中心の超早期時期、実際に会社を絞り込む時期、選考を進めていく時期、と違いがあります。 「超早期の時期に自社のPRをしても、ほとんど学生の頭には残りません。それより学生が就職活動をしていくうえでためになる話をしてあげると、あそこのセミナーは行ってよかったよと口コミで広がります」 と松嶋氏が言う通り、同社はこの時期には、「企業の見方」や「マスコミ業界の課題と必須能力」など役立つ情報セミナーの提供に全力を注ぐそうです。

昨年は「成長企業」の見方を提示したらとても好評だったとのこと。参加者が増えることで、アドウェイズという会社を知る人も必然的に増えてきます。

2.採用したい狙いたい人に響く施策の実施

アドウェイズには入社1日目から海外赴任になれる「海外直行制度」や、入社1日目から社長になれる「ADWAYS24」という制度があります。この人事制度は海外志向が強い人の間や、起業を目指す人の間で噂になったそうです。

たとえば語学に長けている人、海外志向が強い人は商社や外資系企業に目が向きがちですので、アドウェイズへのエントリー割合は高くはありません。しかし今後ますます海外展開を強めたい時期において『どうしたらそのような人材が採用できるか』を思案したとき、「海外直行制度」は海外で活躍したい人に向けたメッセージとしての機能を担います。同様に、新規事業創出を進められる人に向けた「ADWAYS24」は、さらに来年度に向けて施策を進化中だそうです。

3.インパクトで注目度をあげる施策

今回の2017年度就活においては、なんと「1000円のお茶」を一人一本ずつ提供した同社。もちろんねらいあってのことです。セミナーに来てくれる人は自社に何らかの関心を持ってくれている人なので、何か心に残るものを渡せないか。かつ、そのインパクトがきっかけで口コミにより知名度が広がらないか。その効果をねらったのがこの「1000円のお茶」でした。

無粋なアナウンスではなく、お茶の紹介動画を使ってその価値を紹介。芸人出演も使った楽しい映像をこの日も流して頂きましたが、絶対忘れない印象を残しているはずです。動画は他にも効果的に使われており、社員のプライベートが垣間見える部活紹介動画は学生からも好評だそうです。

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 icon-arrow-circle-right 新卒採用にむけて効果があった手法-2:学生のニーズにあわせて

どの施策も基本は学生視点で考える松嶋氏。セミナーなどで出る質問も施策のヒントになっています。「私どこがよかったんでしょうか」と聞いてくる人や「こんな質問したらダメだと思って聞けなかったんです」と言ってくる人を目にして、次のような工夫をされてきたそうです。

1.フィードバックを本人に伝える

一次面接での合格者が二次面接に来た時に、一次の面接官がその人をどう見たのか、フィードバックコメントを事前に動画撮影しておき、本人に見せることを始めたところ、とても好評だそうです。自分の見られ方を気にする学生が最近多くなったので始めてみたとのことでした。

2.リアルな日常を伝える

セミナー中にオフィスとスカイプでつなぎ、職場風景、社員の突撃インタビューなどをリアルタイムで行います。スライドではなく「今」であるインパクトが大きいようで、こちらも大変好評とのことでした。職場の雰囲気や人間関係のイメージが持てことで、漠然とした不安が拭えていく効果もあるのでしょう。

また最終面接の前には「質問会」を設けているとのこと。選考とは関係ない場で本音トークができることは学生側、企業側双方にとってミスマッチをなくす機会にもなるでしょう。

3.自身で相性を考えるきっかけづくり

クイズ形式による「相性診断」というコンテンツも見せていただきましたが、結構厳しい問いが並んでいます。この10問を答えるとアドウェイズが重視している価値観やスタイルが見えてくるものです。相性がよかった学生は「ここは自分に合うかも」と思ってやる気を増すでしょうし、低く出た学生は「自分はこういう働き方は好まないから」と自然と離れることになるでしょう。問いの内容や設問数は各社各様にアレンジできますので、会社の考え方を伝える一つのやり方として参考になりそうです。

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 icon-arrow-circle-right 新卒採用にむけて効果があった手法-3:内定~入社時期

せっかく採用に至った人材でも辞退されるケースもあります。自社にとって最適と思った人材にはぜひ入社してほしいもの。そこも漫然とやるのではなく工夫のしどころだと松嶋氏は話します。

1.内定のお祝い感をつくる

内定の伝え方は昔から工夫しているそうです。アルバイト先まで出向いて内定状を渡した時期もあるそうですが、今は内定状を渡す瞬間を写真で撮って残したり、採用プロセスに関わった人々の寄せ書き色紙を速達で送ったりと、手作りで祝福を伝えています。自分のために時間をとってくれる、メッセージを送ってくれるということが、この会社に行こうかなという気を高めているでしょう。

2.内定者へのレポート課題

内定者には就活の履歴の詳細レポートを課しているそうです。実はその分量はかなり多く、詳細な記載を求めています。次年度の採用施策に活かすと同時に、ここで放棄する人を内定辞退数として早期に数読みしていく目的があると言います。時間も手間も相当かかるレポートですので、内定者の本気度もわかるのです。

3.内定者懇親会と辞退者懇親会

他社同様に内定者懇親会はもちろん実施しますが、ユニークなのは“辞退者懇親会”を開催したという話でした。しかもかなり有用だそうです。自社で内定をとるような人材同士のネットワーキングになる、と伝えると、結構な参加者数があつまってくるそうです。会社側にとっても、リアルな声をきくことができる貴重な機会になりそうですね。

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 icon-bookmark 本日のセミナーのポイント

本日印象的だったのは、全力で採用活動に取り組み、これはと思う人には『しっかり期待を伝えて入社してもらう』というアドウェイズ社の姿勢でした。そうやって入社してきた人は、自身のモチベーションも、周囲への影響も高くなっていくはずです。

本日のポイント
  • 組織は「人」で変わる―採用の重要性と効果
  • 学生目線で発想する―ちょっとした工夫で印象は変わる
  • 企業側の熱意が伝わること― 内定メッセージ一つにも「人」への姿勢が問われる
  • 人の活力をどう引き出していくか。とっても参考になるお話を大いに伺えました。

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