セミナーレポート:2時間で学ぶコミュニケーションの“見える化”で生産性をあげる組織の作り方

こんにちは、健康人事委員会の平野です。「2時間で学ぶコミュニケーションの“見える化”で生産性をあげる組織の作り方」と題して4月21日(木)16:00~18:00に弊社会議室(東京都文京区)で、開催した人材育成セミナーのレポートをお送りいたします。

セミナーの大きなテーマは“人が育つ組織をつくる”。健康人事委員会プロフェッショナルボードメンバーでもある、FFS理論を提唱する株式会社ヒューマンロジック研究所の古野俊幸氏に登壇をお願いしました。

  • 対象 人事担当者、教育研修担当者
  • 解決できること 効果が少なく、負担と不満の声が高いOJTを機能させる
  • こんな組織になる 人が育つ組織になる
  • キーワード コミュニケーション、FFS理論
  • OJTは機能していますか?

    新入社員が入社してきた春先。“人を育てるため”に、多くの企業でOJTが開催されています。OJTはどんな効果をあげていますか?。「現場まかせ」と語られることが多いOJTの実態を理解し、OJTを実りあるものとするために、指導役の先輩と後輩の関係を「個性に応じたメンター制度」という視点から再構成しませんか、というご提案。具体的に、どういった変化がおきるのか。そのためには何を知る必要があるのか、といったことについて学びました。

    セミナーには3社の人事ご担当者にご出席いただきました。リラックスした雰囲気のなかプロジェクターで投影されたスライドをみながら、具体的な質問が飛び「もし当社に導入したなら…」と、踏み込んだセミナーになりました。

    成長期の企業が直面するコミュニケーションの課題

    セミナー冒頭では弊社代表の前田より、「成長ステージに入った企業は、社員が増加するとともに組織課題が表面化する」という課題についてお話をさせていただきました。
     
    セミナー冒頭で話をする前田徹也

    前田は自身も起業・成長ステージ、株式公開を創業者として経験。また多くの成長企業とおつきあいをしてきたなかで、企業が直面する組織課題につて、コミュニケーション施策の視点面から、課題解決に取り組んできた多くの経験があります。

    成長ステージに入る企業の多くがもつ課題は実に多くありますが、特に顕在化しやすい問題を12に分類しました。

    これら問題には、コミュニケーションの希薄化とトレーニング(研修・実地機会)の不足がセットとしてある、のだとか。多くのスタートアップ、ベンチャー企業や中堅企業と接してきた中で、究極的には個々人にあわせた対策を考えなければ「かならず組織が空中分解する」(前田)、と実例をお伝えしました。

    続いて、古野氏より「個性に応じたメンター制度で人が育つ組織をつくる」をテーマにお話しをいただきました。

    OJT実態から見えてくる人材育成の鍵

    まず企業におけるOJT教育の実際をしるために、つぎのような調査データを共有しました。

    心あたりがある方も多いのではないでしょうか。ざっくりいえば

    というのが現実のようです。現場社員の負担も考慮すると「歓迎される人材育成方法になってない」と言えますね。「仕事なのだから」「後輩を育成するのは先輩社員の責務でしょ」という声が聞こえそうな状態では、OJTが機能していないと答える企業が9割あるのも、当然ですね。

    初期教育でのOJTの活用、OJT担当者に対する教育の実施、OJTが機能しているかどうか、といった話しに参加されたみなさまが、興味津々になっていく様子がうかがえました。
     
    ヒューマンロジック研究所:古野俊幸氏

    OJTを機能させるための5つのステップ

    OJTにどんな機能を持たせるか。何を目標としてOJTを導入するのか。こうした目的と目標設定をおこなっていくとメンターとメンティーの組み合わせを、現場にまかせっきりにすることや、「要するに相性だよね」「先輩がもっとしっかり話しをきいてあげれば」といった曖昧な前提でおこなう企業が、すくなくなっていくのではないでしょうか。
     
    「メンターと新人が異なる個別的特性をもっている場合、メンターはメンティーの個別的特性にあわせて教育を行わなければならない」と古野氏はいいます。

    そのためには5つのステップがあります。

    「同じ言葉を聞いても、反応がちがう。反応が違えば行動がちがう」ということに直面することがあります。なぜその違いが産まれるのか?を理解したうえで、OJTを推進していくとコミュニケーションのロスは大きく減りそうです。ロスが減るということは、負担が減少します。すると意思疎通がうまくいくことになりますから、OJT効果も高まることになります。つまり、従来のように「理解がない状況では何をやってもうまくいかない」(古野)結果になります。

    もしこのメンバーでメンターメンティーの組み合わせをおこなったら

    続いて個人のストレス(外的刺激)に対する行動特性を定量化するFFS理論の説明です。
    FFS理論とはFive factor and Stressの略称。日本人の小林博士がストレス学の祖であるハンスセリエ氏と研究した「ストレスと性格」を出発点に研究され、米国国防総省の海兵隊組織編制論でも使用された人がもつ行動特性を5つのストレス因子に分け、その高低により、その人の行動の優先順位が決まるという理論です。(FFS理論の詳しくはこちらのページを御覧ください)

    セミナーへのご参加者は、事前にFFS理論による個性診断を受診していただくことになっています(無料です!)。事前に測定されたFFS理論の結果をみながら、足早にFFS理論の概要説明をききます。
     
    身を乗り出して説明する古野俊幸氏

    その後、『もしこのメンバーでメンターメンティーの組み合わせをおこなったら』というシミュレーションがFFS理論をもちいて、おこなわれました。以前のエントリーで、シミュレーションチャートがすこし公開されています。

    「感覚的」、あるいは「マネジメントの一環として」「入社2年目が担当することになっているから」といったような依り所でメンターメンティーの組み合わせを行っていたとしたら、FFS理論による数値化で『このメンターと、このメンティーを組み合わせる』と、どういうコミュニケーションが行われるのか、といった予測値に、驚く方がすくなくありません。

    効果としては、事前予測が可能になるということ。事前予測ができますので、実施後に聞き取り調査や効果測定をおこなうことで、OJT・メンターメンティー制度の導入効果や改善点を明確にし、改善につなげることができます。

    いくつかの導入事例や、ココだけで共有された話を聞いて、ご参加者のかたは社内での導入イメージをされたのでしょうか。具体的な活用法に対する質問が矢継ぎ早にとびかっていました。

    今日のまとめ

    コミュニケーション、と一言でいってもその定義はさまざま。組織や部署、グループ、個人個人によって解釈が異なることが多くあります。OJTをはじめとして「コミュニケーション」は全てのベース。経験から構成される『なんとなく』という直感・暗黙値も大切ですが、行動を裏づけるための理論の理解と実践していくことも、いかに人材育成を左右する重要な要素なのか、が明確になったセミナーでした。