目標をリアルなものにするコトが支援:大竹哲郎氏の経験と価値観【インタビュー】

人と組織の可能性を引き出し続けている大竹哲郎氏の経験と価値観

どのような機会にどのような判断をしてきたか。どのような経験を積んできたか。「この人はどういう人なんだろう」、ボードメンバーの人となりをお伝えするのが、この「紹介記事」です。大竹哲郎氏は 「企業で人事経験を積んできた」と一口には収まらない経験を積まれてきています。工場の現場で、組織統合の過程で、制度改定を通じて…変革に関わってきた経験と現在について、詳しく伺いました。

目標をリアルなものにする支援

傍らでもう一つ力を入れているのがアスリートコーチです。 大学や実業団のスポーツチーム(駅伝部、柔道部、ラグビー部など)をコーチングや研修でサポート しています。継続的に関わる場合には、監督やコーチと「どんなチームを目指していくのか」「チーム作りを進める上で気を付けていく点は」といった話をしたり、キャプテンの悩みや課題を聞いたりというのを定期的に行い、考え行動することをサポートしています。やることが見えてきて、意欲もしっかり持つことができれば伸びていきますね。

研修や講座型でのセッションを行ったり、面談を行ったり、LINEでのコーチングを行っている場合もあります。スポットで関わることもあります。先日は、かつて強豪として名を馳せた社会人ラグビーチームでセミナーを担当させていただきました。チームからの要望は、若いメンバーが増える中で、自分たちのチームの歴史や意義を共有して一体感・目標感を高めるということでした。

これを実現するために、チームの歴史をよく知るジェネラルマネージャーの話をじっくり聞きだすというセッションをやりました。講演ではなく私が質問者になってどんどん引き出していく流れで進め、チームの歴史や地元からの期待など、若いメンバーが知らなかった一面を皆で共有して知ることで、一体感や目標感がぐっと高まったように思っています。

大竹哲郎氏

チームの一体感と同時に、個々人がリアルな目標を持つことも、成長のためには重要だと思っています。ある大学の駅伝部に初めて行った時に「皆さんの目標は何ですか」と聞いたことがあります。全員が「箱根駅伝に出ることです」って言ったんですね。でも誰一人として、本当に出られると思っていないんです。そう言わないと駄目だから言っているような状態ですね。現実的に一人ひとりの実力を見ても、まだまだ及ばない位置にいる。だからきっとあと半年しかない4年生は無理ですし、3年生も難しいかもしれない。ただ、チームとして3年後5年後に行くことはできるかもしれないですよね。

このチームが箱根駅伝を目標にするなら、そこに向けて今から半年間で何をやるのか、もっと突き詰めて考えていくとできることはたくさんあります。具体的に見えたところで本気の度合いが変わってきます。みんなが本気で目標に立ち向かう状態をつくると、そこからチームが活性化していく。それが大事だと思っています。

駅伝はタイムの積み重ねですが、彼らは本気になって一人ひとりの目標タイムを底上げし、それを目指して頑張りだしたんです。昨年のチームは、一昨年より順位を上げることができました。次は本選への出場が見えてきています。箱根までは行かなかったけれど、4年生は目標に向かってやり切ったと思って卒業することができましたね。

建前ではなく本音のところで「何をどこまで行きたいのか」をしっかり描き、そこに向けて自分たちで考えて実行していくことができたら、結果も伴ってくるし達成感も出てきます。これは企業でも同じことだと思っているし、一人ひとりが主体的に動いて組織のパフォーマンスにつながるよう、お手伝いをしていけたらと思っています。

大竹哲郎氏

座右の銘:「信は力なり」

二つの意味があると思っています。一つは可能性を信じる、自分を信じる、といった自分に向けた意味。もう一つは、人を信じるという意味。「どうせこうなんだ」と人を見るのではなくて「こいつは可能性があるはずだ」「やればできるはずなんだ」と信じる。この二つで大概のことはできるんじゃないかなと思っています。

これはご存知の人は多いと思いますが、ラグビー青春ドラマ「スクール☆ウォーズ」の中に出てくる言葉です。そのモデルになった伏見工業の山口良治監督の言葉なんですね。自分もラグビーをやってきたので、ずっとこの言葉が心に響いています。

編集後記

駅伝部のエピソードは、わかりやすく印象的でした。何となく周りに流されて建前で話してしまうと、どうせ無理かもと思っている無意識の壁を越えられない。でも明確に目標を定め、そこへのプロセスを描くことができたら、高い壁であっても乗り越えられるようになっていく。これは人や組織に関わるときに普遍的に応用できるのではないでしょうか。