上場に向けた労務監査のプロフェッショナル、「宮嶋邦彦」の“経験と価値観”【インタビュー】

上場準備企業をはじめ、小企業から大企業まで様々な経営相談にのる「宮嶋邦彦」の“経験と価値観”

どのような機会にどのような判断をしてきたか。どのような経験を積んできたか。[この人はどういう人なんだろう」、ボードメンバーの人となりをお伝えするのが、この「紹介記事」です。
就職で得た安定をあえて一度外す、というエピソードが印象的だった宮嶋さん。新しいこと、先人の道がついていないことこそ面白がれる志向をお持ちなのでしょう。初の上場審査監修の声がかかり、しっかり引き受けたというのもうなずけます。社労士を一つの個性と言い切り、必要な経営ソリューションを様々な引き出しから提供する日々を、楽しんでいらっしゃいます。どんなご経験をされてきたかを今回伺いました。

開業社会保険労務士として初めて上場審査の監修を担当

新潟出身で高校時代はサッカー部に所属し、毎日片道6キロの登山道を走っていてかなり鍛えてました。今でも体力はあるほうではと思っています。大学への進学で東京に来たのですがイベントや路上コントライブの企画運営など勉強そっちのけでやっていましたね。元々企画をしたりみんなでわいわいしたりということで好きな方だと思います。

大学を出てから地方銀行に入ったのですが、やっぱり自分の道は一から組み立てないといけないと思い、就職氷河期にやっと入った銀行を躊躇なく退職してフリーターになりました。その生活を2年くらいしたのですが、そのときに社労士の資格をとりました。そのあと、どこかの会社に入ろうかと思っていたのですが、あるお客さんから労務関係を支援しないかという声がかかりました。実は士業経験どころか、過去に営業や人事を担当したこともないという状況だったのですが「できます」と即答して事務所を立ち上げることにしました。2000年のことです。

宮嶋邦彦

人事の手続きや規程整備、労務管理の支援という、いわゆる社労士業務からはじめたのですが、その次にIPOに関する支援の話が来ました。ベンチャーブームも起こっていたころですね。ある会社が上場するときに意見書を書いたり、審査資料を作成したことがあって、それで声をかけられたんだと思います。ある証券会社の上場審査の監修をするという依頼でした。140銘柄くらいの人事・法務・コンプライアンスのチェックを依頼されて「人事デューデリジェンス」を行いました。年々、経営における労務リスクの感度はあがっていたからでしょうね。 開業社会保険労務士として上場審査に携わったのは私がはじめの1人だと思います。 

社労士という「個性」をいかして何をするか

結果として、そのあともベンチャー企業、IPO支援などはずっと関わっていますね。社労士としての一つの特徴かもしれません。でももともと 社労士は一つの個性だと思っています。そのサービスも選択肢の一つとして、お客様が幸せになれるように何ができるか ですよね。

私自身、経営者として取締役や監査役をやっている会社もいくつかあります。新規事業立ち上げの相談に来る人もいます。きっと私自身、新しいことがもともと好きなんです。だから社労士の領域に限定するつもりはないですね。労務は経営にとってリスクになることもありますが、本来、どの会社でも「人」が利益を出す源です。「人」の本来価値をしっかり認めて社員を遇するかどうかが、労務の観点では重要だと思っています。

宮嶋邦彦

実は当社の社員採用は、士業資格ありきで判断はしていません。FFS理論という個性診断ツールを使っています。このツールを使うことで、その人の思考や行動特性を客観的に見ることができます。それで自社にあった人を選び、入社してもらった後は仕事が楽しくなるような環境づくりを心掛けています。

様々な業界で事業に携わっていた人たちなので、クライアント会社と事業の話ができるし、クライアントの置かれた状況に共感できたりします。特に中小企業の社長の方々は、経営のソリューションを知りたいんですね。そこに応えられるようにしていきたい。

新しい課題に出会うことにわくわくする

今は仕事そのものが楽しいので、仕事をすることが次のエネルギーになっていますね。就職したころはそんなことはなくて、仕事はとても嫌いでした。でも仕事を進めていくと様々な人との関わりが生まれ、人情味とか困ったこととか、人と人の間に生じるあらゆることに触れるようになる。その中で、自分の仕事を通じてありがとうと言われたり、社員が楽しそうに仕事をしているシーンを見たり、その全部を含めておもしろくなってきたようです。

元々数字を見ることはわりと好きでした。単純に物を売って数字が増えればうれしいと思います。ただ、自分の思い通りに数字があがらないことももちろんあります。それで社員に文句を言っても仕方なくて、「こういうふうにやってごらん」「どうだった?これやってみようよ」と言いますね。その方が結果を大きく早く出すことができると、ある時から気づきました。自分も周囲も含めていかに仕事の喜びをつくっていけるかを大事にしています。

プライベートは結構アクティブに動いています。自転車で遠出したりトレーニングジムにいったり、ヨガをやったり。どれもちゃんと教わるようになってから、効果が大きく変わりました。トレーニングジムだと、トレーナーに教えてもらっています。 むやみに体を動かすのではなくちゃんと使うべき筋肉を意識的に使うことで効果が出るんですね。仕事も一緒かもしれません。道理どおりやらないと絶対ミスが起こります。仕事筋のようなものを鍛えて動かせるようになるかどうかで、効果が変わるでしょうね。 

宮嶋邦彦

今お手伝いしている会社で、特に伸び盛りの会社は、日々新しい課題が出てきます。 勢いのある会社は「課題が出る」ことに対して前向きですね。 今お手伝いしている会社の人事の方も、しっかりその課題に向き合います。

ぼく自身は、そういう会社と一緒にやること自体にわくわくします。自分が関わる人が幸せになれたら、そんなうれしいことはないと思って仕事をしています。

座右の銘
 icon-anchor為せばなる、為さねばならぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり

上杉鷹山の言った言葉です。上杉神社までいってきたこともあります。突き詰めると「やっていないからできない」ということで、逆に「やることで進む」ということでしょう。上杉家がかなりの財政難にあっても鷹山は家臣を減らさなかったのですが、そこは信念の人です。今支援している会社でも、倒産寸前までいったときに社員を解雇するかどうかという議論がでてことがあります。でも社長が絶対にそれはしない。ワークシェアリングで乗り切ると決めて、実際に乗り切った。今では誰でも聞いたことのある大企業です。あきらめずにやることで夢はかなっていきます。

 icon-pencil 取材を終えて―編集後記―

労務管理は企業の要となる「守り」イメージがありますが、宮嶋さんのフィールドは企業の「守り」から「攻め」部分の支援まで全方位的です。企業の成長も変化も「人」がつくりだすもの。数多くの企業支援経験がすべて“引き出し”になり、次にどんな会社と出会えるだろうか、を楽しんでいらっしゃることが伝わってくるインタビューでした。実は取材訪問した日はオフィス移転の直後のタイミング。クライアントや関係者から送られたお祝いの花数は圧倒される量でした。

インタビュー光景